『日本にもルーツをもっているバラを、無農薬で育てることは本当に無理なのか?』
ミニバラを育てていた時に、たくさん色んな本を読みました。
どの本にも、当たり前に家庭向け農薬の使用が書いてあるのです。
でも、本当に無農薬は無理なのか。
私は出来れば農薬は使いたくなかったのです。
近所に猫を放し飼いしているお家もあったことも、一つ、大きな要因でした。
たまに物珍しげに花見にやってくるニャンコは、そのまま手足を舐めてしまいます。
人間には何ともない量でも、この小さなお客さんには??
そう思うと、尚更気が向かない。
そんな私に、この本がある意味、回答を与えてくれました。
『土が健康なら、無農薬は不可能ではない。』
『自然の生き物(虫やカビなど)の制御も、自然由来のもので間に合う』
それを、全くの素人・家庭ガーデナーである著者が、全国の同志と共に実地検証した結果をまとめて出版されたのです。
培養土や庭の土などと米ぬかをあわせて、発酵させて作った『米ぬか発酵肥料』で、地力を引き出し、植物を健康に育てる。
米ぬかの持つバランスの良い栄養を、発酵させることで植物が取り込みやすい状態にするというのは、目からウロコでした。
自然界でも、地中の栄養素はいちど微生物によって分解にされますから、同じ仕組みを人為的に作るわけですね。
『米ぬか発酵肥料』とは、いわば、植物が食べやすいように調理したバランスの良い食事というわけです。
そしてそれは、バラにだけ効能があるものではなく、全ての生き物に恵みのある土を作ることでした。
この肥料を全ての鉢に使い出してから、年々私の育てる花は、大きくて花色よく、花期長く、しかも全体の成長ぶりも良くなりました。
溢れんばかりに花をつけて、しかも樹勢は落ちないので、前の年を凌ぐ花を翌春もつけます。
決して地理的な条件が良くない中でです。
土の入れ替えも、植え替えもしなくて平気。
いつでも、ふかふかな真っ黒な土です。
ダンゴムシもアリンコも、ミミズやヤツデも増えました(笑)
アマガエルも、何年も定住しておりました。
知らないだけで、もっと他の生き物も来ていたかもしれません。
そういう、小さな生き物が生きていける環境が本来の有るべき姿です。
健康な植物は、多少の病害虫ではたじろぎません。
虫にだって、カビや病気にだって、天敵や薬になるものが、すでに自然界にあるのです。
それは、人の飲む漢方と一緒で、効き目は緩いかもしれませんが、ちゃんと効くのです。
完全に排除しなくても、健康な植物は共存して生きて行くことができます。
(たとえ鉢植えの中の小さな自然とはいえ、人の都合にあわせては動いてくれませんが:笑)
そんな植物の回答が、尚更私に『農薬はダメだな』と思わせました。
確かに。
農薬を使用しなければ、コガネムシの幼虫に、7年間も育てたジンチョウゲを枯らされたとかいうこともありますけどぉ、、、(T ^ T)
(枯らされて以来、<大嫌いなものリスト>にコガネムシの幼虫が入りましたッ)
それでも、やはり無農薬栽培は続けて行きたいと思います。
全ての小さな生き物と、自分たちのために。