あちこちで『いいよ』という評価も聞き、映画化やらなんやら続いているにも関わらず。 何だか苦手意識があって、読めなかったこの作者。
『辞書を編纂する人の話』なんて、私の好みそうな話なのに!
やっと読んでみた結果も、、、なんだか釈然としません(^◇^;)
言葉に拘りがある人間で、細かい作業が得意な根気のある人しか、1から辞書を編纂するなんて難題事業は中々できません。 それは確かです。
辞書は出版社の誇りで、看板だけど、採算の取りにくい事業。 それもそうでしょう。
しかしですよー しかし、なんですよ。
言葉に拘りがある人は、変人ですかね??
そこが納得できない。 基本的に変人しかできるまいってな、最初からのスタンスに違和感がある。
言葉は生き物です。 時代によって、使われていくことによって変化をしてゆく。 言葉でもって人は人とコミュニケーションを取るのですから、人と共に変わりゆくものです。
仮にも『言葉』で、『日本語』で、『作家』を名乗る人が、『辞書を引く』作業から無縁だとは思えない。
その辞書を編纂する人が『変人扱い』ですか、、、
これは、私が『辞書を編纂する人』を心から尊敬しているが故の、違和感なのかもしれません。 その根底に愛のある『変人扱い』であっても、受け入れがたいほどの。
辞書編纂という、とても地味ですが母国語を支える根幹にスポットライトを当てた画期的な小説とは思いますが。 私にとっては、それ以上でも以下でもありません。
心から辞書を編纂する人々を、敬愛するが故に受け入れがたいのです。
全く拘りのない方が読むには。 読了感爽やかな、人間ドラマで。 辞書編纂という地道で、でもとても重大な、職人の誇り溢れる仕事に感動できるのかなとは思います。