桜は朝日に匂う

会社近くで撮影。 桜の香りは、実は朝が1番します。

桜の花自体に香りがある品種は、寡聞にして知らないのですが、あったとしたらとても珍しい種類になると思います。 画像は大島桜系統のようですが、詳しい品種まではわかりません。 大島桜も花に香りがない。 しかし。 普通の、花に香りのない桜でも、葉っぱとか樹木全体で香り立つのです。 桜餅の匂いって言えばいいでしょうか。 あれは、桜の葉っぱの匂いですよね。 (ちなみに、桜餅の葉っぱは、大島桜のです:笑) 樹木は朝に光合成をたくさんするので、その関係かもしれません。

有名な本居宣長の和歌の『朝日に匂う山桜花』は特に有名な部分ですが。 『敷島の大和心を人問わば 朝日に匂う 山桜花』というのが、和歌の全文。

ここでいう『匂う』は、『照り映える』『内から輝き立つような気品がある』という意味で、残念ながら本物の香りのことではないです(笑)

『さくら さくら』の古いバージョンの歌詞にも 『見渡すかぎり 霞か雲か 朝日に匂う いざや いざや 観に行かん』とあるので、『朝日に照り映える桜は、殊の外美しい』は昔からの定番なんでしょうねぇ 昔から香りがないのだな。桜って。 (生物学的に)従姉妹くらいの間柄になる梅や、遠縁になるバラには、あんなに強い芳香があるのにね。

『清水へ 祇園をよぎる桜月夜 今宵会う人みな美しき』って、与謝野晶子の和歌も素敵ですけどね。

さて。毎年ながら、桜の時期は桜悲喜こもごも。 今年は開花後は雨だらけです。 いつまで咲いていてくれるでしょうか。