片山廣子という方が書いた『灯火節』に、『
ネットでどれほど探しても、この灯火節にしかない暦です。
ケルトの文学に造詣が深かった彼女と。
ケルトの古い伝説を伝えるところでしか、
作者は旧仮名遣いの世界に生きていた方。
幸いにも、私は旧仮名遣いが苦にならない育ちでしたので、
現代語に訳すと 『 ある国のこよみ
はじめに生まれたのは歓びの霊である。 この新しい年をよろこべ!!
1月 霊はまだ目が覚めぬ 2月 虹を織る 3月 雨の中に微笑する 4月 白と緑の衣を着る 5月 世界の青春 6月 荘厳 7月 2つの世界にいる 8月 色彩 9月 美を夢見る 10月 溜息する 11月 おとろえる 12月 眠る 』
何と美しい暦!!
後に続くのは、この暦の色彩豊かな季節感と、
彼女は、この時代の才女の1人でした。
外交官の娘として、東洋英和女学院で学び、
女が仕事なんて、トンデモナイ!なんて時代に生きながら、
やはり、
まぁ、その時代のままでしたら、
この暦。
『2月 虹を織る』という言葉が好きな方が多いようで、
私も好きで。
読むたびに、冬の授業中を思い出します。
ダルマストーブのある教室。
北山時雨が降る、午後。
とりわけ2月は、よく北の空に虹を見ました。
そして、遠くに聞こえる、蒸気機関車の汽笛。
今思えば、
今月は1月。 自然の世界は静か。 まだ、霊は眠っているようです。