白木蓮は象牙色

暖かくなってきました。 季節は木蓮が咲く頃になっているようです。 象牙色と言われる白木蓮を見ていて、ふと思い出した。

象牙ときいて、私が思い出すものが必ず二つあります。

一つは、アンティーク・ピアノの象牙の鍵盤。 もう一つは『象牙の塔』という言葉です。

象牙古今東西問わず『貴重な宝物』でした。 中国には、象牙の箸は贅沢の象徴として象箸玉杯という四字熟語があるそうです。

そんな貴重な宝物である象牙で作った塔と言われると、、、とたんに何故か悪口になる(⌒-⌒; ) 浮世離れした学者馬鹿の集う場所という意味になるらしい。

さすがに学者ともなると、学者馬鹿ばかり集まる場所は格調高く『象牙の塔』と揶揄され、また、自嘲するんですね(笑)

元々は『貴重な宝の(詰まった)場所』という意味だったのだろうと思うのですが(笑) 世俗から隔絶された場所にいればこそ、研究者たり得るとの自負も多少含まれているのかもしれません。

大学時代、今振り返ればそこは象牙の塔でした。 出て初めて知ったことがたくさんあります。 1番驚いたのは、世の中には、個人の本棚を持たないどころか『読書をしない・嫌い』な人がいること!!

四字熟語も故事成語も『賢くなるためのお勉強』で、穴埋めクイズでもパズル遊びでもないこと。 日本史も世界史も知らない人がいること。 賭け事というものが、とても卑近なものであること。 『お金』を全ての基礎として考える人がたくさんいて、『お金持ち』がとても羨ましいらしいこと。

どれも、象牙の塔では聞かなかった話です。 いまだによく分からないことがたくさんあります、、、(-_-;

そんなことを、白木蓮で思うあたり、懐かしい象牙の塔が恋しくなったのかもしれません。